「ゆるキャン△」というアニメをご存じですか?
原作は「あfろ先生」による漫画ですが、TVアニメ化や劇場アニメ化もされ、昨今のキャンプブームとも合わさってヒットしたコンテンツです。日常系のユルい作品が好きな僕には、ど真ん中ストライクのコンテンツでもあります。
つい先日、そんな「ゆるキャン△」初のオンラインゲーム「ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!(通称:つなキャン△)」がリリースされました。
最近はもうほとんどゲームをやらなくなった僕ですが、めずらしくだいぶ前から楽しみにしていて、わざわざAppストアで事前予約までしていました(笑)そこからたび重なる延期を経て、ようやくリリースされたこのゲーム。
いざやってみたら……なんか思っていたよりも「コレジャナイ感」がありました。
つなキャン△ってどんなゲーム?
これについては、公式の紹介動画があるので貼っておきます。ただ動画は開発中の画面なので、見た目や文言が変わってるところも一部あったり。とはいえ、おおむね動画どおりです。
すごくざっくり言えば
①キャラのコスチュームやキャンプギア、サポートカードなどのアイテムを、季節とキャンプ場に応じて組み合わせ、適切なキャンプ準備をする。
②そのうえでキャンプに挑み、少しずつ各パラメータを高めていきつつ、全4回ある「ミッション」をできるだけ高ランクでクリアして、そのキャンプが高評価をされるようがんばる。
というムーブをひたすらくり返す、いわゆる「周回ゲーム」ですね。ベースのシステムは「ウマ娘」や「パワプロ」とほぼ同じです。
どこが「コレジャナイ」のか?
あくまで個人的に感じたことですが、たとえば……
情報量が多すぎてわかりにくいUI
悪い意味で、UIの情報量が多すぎる。画面内がごちゃごちゃしていて、何がどこにあるのか一目で分かりにくく、慣れるまで目的の場所になかなかたどり着けませんでした。そこは「オールインワン!!」しなくてよかった。もっとシンプルでいい。
無駄に長いチュートリアル。
わざわざ「最初のストーリーを丸ごと」使ったわりに、そこでプレーヤーが知っておきたいことをあまり教えてくれない。何がどのパラメータに影響するのかなど、結局よくわからないまま始まってしまう。正直なところ、まだちゃんとわかっていません。
フルオート機能がなく、テンポも悪い
周回ゲームなのに「フルオート」がなく、かなりプレーヤー自身による操作が必要です。また「スキップ」や「早送り」は一応あるけれど、ちゃんと機能していないところがしばしばある。そのせいか、一回のキャンプだけで思ったより時間を取られてしまう。
などなど、サラッと挙げただけでもこれだけあります。でもそれ以前に……
そもそものミスマッチ
そもそも論で、ゲームシステムが「ゆるキャン△」に合っていない。そして「ゆるキャン△」なのに「ゆる」くもない。
少なくとも僕が期待してたのは、個性豊かなキャラ同士が楽しくおしゃべりしたり、ごはんを作って食べたり、キャンプギアを自作してみたりなど、キャンプのアクティビティをゲーム上で「ユルく疑似体験する」ということです。
けれど実際は、自由なはずのキャンプに強制タスクをいくつも課され、それを機械的にこなしていくのがメインになってしまっている。そんなのは求めていませんでした。
仲間との楽しいキャンプに「ミッション」なんていらなかったし、勝手なランク付けもしてほしくなかった。キャンプは競うようなものではないし、客観的な評価なんてどうでもいいことなので。
土台からして、なんか不自然なのです。
ヒットコンテンツの悪いパクリ方
さっきも言ったように、基本的なゲームシステムは、大ヒットコンテンツの「ウマ娘」とおおむね同じです。
僕が思うに、このゲームは「大ヒットしたウマ娘インスパイアのゲームをつくろう」という構想がまず先にあって、あとからそこに「キャンプ」の要素を強引にぶち込んだ気がします。もちろん真相はわかりませんが、僕にはそう見えました。そのために「ゆるキャン△」が生贄になった感じ。
だがしかし、そのせいで随所にチグハグさが生まれてしまっている。くり返しになりますが、ハナから「ゲームシステム」と「コンテンツ」が合っていません。
たとえばそれは、次にお話するようなポイントひとつを切り取っても感じます。
ゲームシステムに感じた違和感
ゲーム内でのキャンプは「昼」→「昼」→「夕」→「夜」の4部制になっていて、それぞれの部で「体力」と「10ターンのコマンド選択権」が与えられます。
そこで毎ターンごとに1つのコマンドを選びながら、下記5つのパラメータをできるかぎり高めていきます。
- つながり
- まんぞく
- いごこち
- ぬくもり
- いやし
そのために与えられているメインコマンドは、下記の5つです。
- おしゃべり
- たべる
- せつえい
- たきび
- ながめる
※別枠で体力を回復させるためだけの「休憩」というサブコマンドもあります。
このうち「ながめる」以外のコマンドを選ぶと、強制的に「体力」が減る(「ながめる」を選ぶと少しだけ回復する)という仕様です。
そして、僕が感じた違和感のひとつは、ここにあります。
原作の世界観と合っていない不自然な仕様
たとえば「せつえい」はテントを組み立てるし、「たきび」は薪割りをします。ゆえに体力が減る。それはまぁわかります。
けれども「おしゃべり」や「たべる」を選んで「体力が減る」のは、本来の「ゆるキャン△」の世界観を考えると、だいぶ違和感があります。
たしかに現実の話で言えば「話す」ことも「食べる」ことも、当然ながら(物理的な)エネルギーは使います。
でも、ゲームは現実世界ではなく「ゆるキャン△」という作品世界なわけで、そこは「体力が回復する」仕様であってほしかった。僕はそう思います。
仲間と楽しくおしゃべりしたり、キャンプ飯を食べるだけで、なぜか「体力」は減っていく。そんな疲れるキャンプなら「最初からやるなよ」と、ツッコミを入れたくなりました😅
少しはよいところも挙げておく
もちろんすべてがダメってわけではなく、多少はよいところもありますよ。
たとえば、キャンプサイトで動き回る3Dのキャラクターたちは、ふつうにかわいい。見てると癒されます。
またキャンプギアや料理をレイアウトして、オリジナルのキャンプサイトをデザインするのも個人的には好きだし、楽しいと思います。昔から、部屋の間取りやレイアウトを考えるのが好きだからかもしれません。
あとはストーリーが完全フルボイスなのもうれしいですね。さすがにフルアニメーションではないけれども、フルボイスってだけで十分です。
あとは…………今のところそれくらいでしょうかね
理想は牧場物語みたいな感じ
個人的には「牧場物語」的なやつをイメージしていました。
日々マイペースにお金を稼ぎ、まずはある程度のキャンプギアを集める。たまに他プレーヤーとも交流しながら、キャンパーとしての環境を少しずつ充実させつつ――。
好きなタイミングで好きなキャンプ場に行き、あるときはソロキャン、またあるときは仲間とキャンプ。そしてキャンプではただおしゃべりしたり、料理したり、クラフトしたり、星空を眺めたり、他のキャンパーと交流したり――。
そんな感じの「疑似ゆるキャンパーライフ」をイメージしていました。その「ユルさ」こそが「ゆるキャン△」の魅力だと思うし。
少なくとも「ミッション」とか「ランク付け」といった「評価」や「競争」の要素はいらなかった。「ゆるキャン△」の世界観においては、どう考えても無用の長物です。
とはいえ「ソシャゲという”ユーザー課金型プラットフォーム”を考えるとこうするしかなかったんだろうなー」というのも、容易に想像できます。
だから「コンシューマーゲームでリリースしてほしかった」というのが僕の本音です。そのうえで、たとえば特殊なキャンプギアやキャンプ場をDLCで追加していくようなシステムなら、ぜんぜん納得できたなーと。
世間の評判はどんな感じ?
ちなみに世間の評判も一応ご紹介しておくと(もちろん一部ですが)こんな感じです。ネガティブとポジティブ両面からいくつか。
ネガティブなもの
ネガティブな意見は、おおむね似たような感じ。みんな同じような不満を感じてるんだな。
ポジティブなもの
純粋に楽しめてるひともいるのはいいことだ。
まとめ
そもそも基本無料でプレイできるゲームだし「イヤならやめればいい」ってだけだから、あれこれ「文句」を言うのは筋違いだと思っています。だから、今日の話は単なる「感想」です。
ただ、僕みたいにゲームをあまりやらない人間でも「やってみたい」と感じたゲームではあったので、ポテンシャルはあったはず。それだけに「せっかくのゆるキャン△が……もったいないなー」と感じてしまった。
あとは、自分でも気づかぬうちに過度な期待をしてしまっていたのかもしれません。そこは反省ですね。
勝手に期待して、勝手に失望する……よくない。
まぁなんだかんだ言いましたが、今後も変わらず「ゆるキャン△」というコンテンツは大好きです。それだけは変わりません。たとえゲームはやらなくなったとしても……。
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