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にのまえはじめ
兵庫県神戸市出身。大阪府在住。
某ITベンチャー勤務、兼セールスライティングを軸に活動中の物書き屋。物語のドワーフみたく縁の下の職人的な生き方が理想。妻とふたり暮らし。カナダのモントリオールかスイスのマイエンフェルトに住みたい。詳しいプロフィールは<PROFILE>をタップ☟

AIが人類より「10000倍」賢くなる未来で僕たちはどう生きるか

人間の代わりにAIロボットが働く未来
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今年に入って以降、目や耳にしない日がないくらい「AI」がホットな話題になっています。

なかでもChatGPTに代表される「生成AI(Generative AI)」の劇的な進化は、あらゆる業界に特大のインパクトを与えています。

またSNSなどを見ていると、そこかしこに「AIをハックするための情報」が日に日に増えていて、正直それをフォローするだけでも一苦労です。

かくいう僕自身、最初のほうはそういったAIの情報をマメにチェックし、ChatGPTにもけっこう触れていました。ですがここ最近は、その頻度がめっきり減ってしまい……AIとはやや距離ができていたように思います。

そんななか、先日行われた「SoftBank World 2023」というイベントで、ソフトバンクの孫さんが「AIの未来」について話した基調講演の動画をたまたま見ました。そこで孫さんの話を聞いて僕自身アレコレ思うところがあったり、また危機感を覚えたりしたので、いろいろとシェアしたいと思います。

Contents

AIの進化:3つのステージ

進化の過程

本題へと入る前に「AIの進化」について、基礎知識を確認しておきます。

一般的に、AIの進化には大きく「3つのステージ」があると言われていて、それが次の3つです。

  1. ANI:Artificial Narrow Intelligence(特化型人工知能)
  2. AGI:Artificial General Intelligence(汎用人工知能)
  3. ASI:Artificial Super Intelligence(人工超知能)

現在、一般的に普及しているのは、1つ目の「ANI」です。

これは「決められたプログラムの範囲内で動作する限定的なAI」のことで、たとえばAppleの「Siri」やGoogleの「Google Assistant」などは、その代表例ですね。

次に2つ目の「AGI」は、ただプログラムに従って動くのではなく「自律的に学習し、思考して意思決定し、行動する”限りなく人間に近い”AI」のことを言います。

たとえば「ChatGPT」は、ある分野においてすでに自律的な学習や行動ができるので、もはやこの領域に片足を踏み入れているAIだと言えます。そしてこの先さらに進化すれば、ほとんどすべての分野において人間を上回るクオリティで、雑務だけでなくクリエイティブな仕事もするようになるでしょう。

にのまえ

そうなったら、人間とAIの明確な差は「肉体があるかどうか」くらいしかないのかも……。

そして最後の「ASI」とは、シンプルに「人間の知能を”圧倒的に”上回ったAI」のことです。

そうなったとき、もはや人間が介在する余地はそこになく、すべてがAIによって自動で処理されていきます。ここまでくると(ほとんどの)人間には、何がどうなっているのか、まったく理解できないでしょう。

人間の生活は、すべてAIによって全自動でパーソナライズされ、人々が「生きるためにやらなければならないことは何もなくなる」世界です。SFみたいな話ですが、それが夢物語ではなくなってきたのが今です。

たとえば『ターミネーター』に出てくる「スカイネット」は、ASIの一例と言えるかもしれません。ただスカイネットは「自我を持ったAI」として描かれているので、もう少し複雑な話になるかもしれませんが……。

孫さんのメッセージは何だったか

いつの間にかフルバージョンが消されていた……。

先ほどの基礎知識を踏まえ、孫さんが今回の講演で何を伝えていたかをひと事で言うと

「今からAIを日常使いできるようになっておかないと、いよいよ世界から取り残されてヤバいですよ」

ということです。

AIは、僕ら凡人が考えているより何倍、何十倍も圧倒的なスピードで日々進化しています。

その代表格が「ChatGPT」ですよね。リリース当初は文字データしか扱えなかったものの、今では画像や動画、音楽データなども扱うことができ、その領域は今も拡大し続けています。

それにともない、ChatGPTを業務に積極利用しているアメリカの企業は、ゆうに「50%」を超えているそうです。

しかしながら日本では未だにAIへの忌避感も根強く、日常業務にChatGPTを取り入れている割合は、わずか「7%」ほどしかないとのこと。それどころか、業務へのChatGPT利用自体を禁止する企業も少なくないとか。

インターネット黎明期、当時は世界の時価総額ランキングで上位を占めていた日本企業。でもそこに突如現れたインターネットの波にことごとく乗り遅れ、結果として「GAFAM」に代表されるアメリカのインターネット系企業に覇権をあっという間に奪われました。

孫さんは「今のままだと日本はそのときの二の舞になる」と、そのことを強く危惧していました。このままの状態では「日本はさらに世界から取り残される」と。

だからこそ「誰もがあたりまえにAIを使いこなせるようになるべきだ」というのが孫さんの考えです。

孫正義によるこの先20年の未来予想図

未来のAIロボット

孫さん曰く、今後10年以内に「全人類の叡智×10倍=AGI」が、おそらく現実のものになるだろうとのことです。

さらに、その先10年以内(つまり今後20年以内)には「全人類の叡智×10000倍=ASI」も、きっと現実になると考えているようです。

にのまえ

僕もその考えには基本的に同意します。

もちろん細かい年数については「孫さんの希望的観測」が多分に含まれているので、多少ズレる可能性も大いにあります。ただ「近い将来そうなることだけは確実」なので、細かい数字は気にするだけムダですよ——と。

それくらいAIの進化スピードは圧倒的であって、もう誰にもその歩みを止められないので、ボーっとしていたらすぐに置いていかれますよ——と。

たとえ今その波にあらがったとしても、そう遠くない未来に「人間よりも圧倒的に優れたAI」が我々の日常に入り込んでくることは、もはや不可避ですよ——と。

だからこそ「今すぐにAIを日常に取り入れ、あたりまえにAIを使える人間へとパラダイムシフトしていきましょう」というのが、孫さんの主張でした。

孫さんはどれくらいAIを使っているのか

ChatGPTの画面

ではそう言っている孫さんがどれくらいAIを使っているのかというと……おそらく世界でもトップレベルに使いまくっていると思います。

ChatGPTを使った毎日の壁打ちはもちろんのこと、最近ではChatGPTの中に複数のキャラクターを構築して、そのキャラ同士をディベートさせ、そこからアイディアのヒントを得たりもしているそうです。ほかにも日常のあらゆる業務に生成AIを使いまくり、業務の効率化に成功しています。

またソフトバンク社内では「生成AIコンテスト」なるものを定期的に開催し、優秀なアイデアを出した人には賞金1000万(?)くらい出しているらしいです。

それにより、すでに「10000件」を超えるアイデアが集まり、そこから「1000件」を超える特許を出願したそうです。

孫さんは「ひとつの企業内でこれほどの数、AIの活用アイデアを集めたところは、世界中でもうち(ソフトバンク)だけだと思う」と豪語されていました。「ソフトバンクグループを、世界で最もAIを活用する会社にしたい」という孫さんですから、その本気度がうかがえます。

また孫さん個人でも「2000件」を超えるアイデアを出し、そこからいくつも特許出願中(あえて出願していないものも多々あるらしい)なのだとか。これはウワサですが、たとえ夜中でもAIに関するアイデアを思いついては飛び起きて、そのアイデアを試しているらしいです。バイタリティがえげつない。

とにかく孫さんは誰よりもAIに触れ、その未来の可能性を感じているからこそ、今回の講演でとりわけ強いメッセージを送ったのだと思います。

僕たちはどうすればいいのか

金魚

では、そのメッセージを受け取った僕たちはどうすればいいのか。

孫さんの話を踏まえると「今すぐ自分の日常に生成AI(にかぎらずあらゆるAI)を取り入れること」です。シンプルにそれしかない。

孫さんは、講演の最初に金魚のイラストを見せ、ひとつの問題提起をしていました。

金魚には「人間のおよそ1/10000ほどのニューロン」しかないそうです。そのため、もし単なるアルファベットを金魚に覚えさせようとしても、それは困難を極めます。

この先20年で「人間とAI」の間に「10000倍」の差が(ほぼ確実に)生まれるとすると、20年後には「現在の人間と金魚」くらいの差が「人間とAI」の間には生まれてしまうということです。

そして、それはもう避けようがない未来。だとすると、そのうえでどう生きるのか。

ただ甘んじて「金魚になる」ことを受け入れるのか。それともAIを「自分の人生を豊かにする良きパートナー」として、自由に使いこなしていくのか。

前者か後者か、どちらを選ぶかはもちろん個人の自由です。ただ、誰しもがその選択について考えなければいけないときだということだけは間違いないと思います。

まとめ

というわけでソフトバンクの孫さんが先日行った基調講演から、AIの未来と人類の未来についてのお話を踏まえ、我々がどう生きていくべきかを考えた話でした。

少なくとも僕は「AIが良きパートナーになる人生」にしたいので、あらためてAIについてもっと学び、積極的に使っていきたいと思います。

先ほども書きましたが、いずれ「ASI」の時代になれば、もはや「人間が生きるためにやらなければならないことは何もなくなる」でしょう。そうなると、あらゆる人間の営みは「やりたいからやる」がすべてになるはずです。

そうなったとき、もしもそれまでの人生をただなんとなく生きてきて、やりたいことや好きなことが何もなかったとしたら……死ぬことはむしろないにせよ、AIが自動で与えてくれたものをただ消費して、ボーっと呼吸するだけの「生きたしかばね」になる気がします。

そう考えると、本当に大事なのは「AIを使いこなすこと」ではなく「本気でやりたいことを素直にやれる自分であること」だなと思います。

まぁそういう時代が具体的にいつ訪れるかはわかりませんし、僕で言えば年齢的に生きているか微妙な気もします。とはいえ、いずれそうなるのは確実なので、今から真剣に考えておくに越したことはないのかなと。

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